クランベリー
学名:Vaccinium macrocarpon, Vaccinium oxycoccos
英名:Cranberry
科名:ツツジ科
使用部位:果実
クランベリーにまつわる話
クランベリーはヨーロッパや北米の寒冷地に生息するツツジ科で、収れん性の赤い果実をつけます。湿原や水辺に自生するクランベリーを発見したのは先住民族のインディアンで、現在ではマサチューセッツ州やウィスコンシン州などで栽培されています。クランベリーの「クラン」とは英語で「鶴」を意味し、茎の先につく花が鶴の首に似ているという説や鶴の好物であるためという説があります。
クランベリーは昔から膀胱炎・尿道炎などの泌尿器系の感染症や尿路結石、ビタミンC欠乏症などの予防に使用されてきました。この膀胱炎などが防げるメカニズムはクランベリーのキナ酸という成分が腸管で吸収され、肝臓で代謝を受けて馬尿酸という物質になり、尿中に排出されます。その際に尿のpH(ペーハー)が酸性化するため大腸菌などが棲みにくい環境になることによります。また、クランベリーの代謝物は大腸菌など感染症の原因となる菌が泌尿器の粘膜に粘着するのを防ぐ働きもあるとされ、肝臓疾患患者や高齢者の尿臭の軽減などに用いられます。今まではクランベリージュースとしての服用が主でしたが、最近ではパウダー剤やカプセル剤で摂取することが可能になっています。
昔は手摘みで収穫していたため、大変労力が必要でしたが、現在は木が沈むほど畑に水を張った後に、水中で木を揺すって実だけ外し、水面に浮いたものをロープで一気に集めて収穫する「ウェット・ハーベスティング」という方法が主流です。
クランベリーの使用方法
【ハーブティー】
ビタミンCが豊富なので美容にもよく、甘酸っぱくて爽やかな風味なので飲みやすいです。
作り方
1、乾燥させたクランベリーを小さじ2、ティーポットにいれる。
2、ポットに熱湯を注ぎ、蓋をして3分ほど蒸らす。
3、好きなカップに注ぎ、ゆっくり楽しむ。
※火傷しないように注意してください。
【クランベリージュース】
クランベリー・砂糖・レモン・水を鍋にかけ煮込んでからこすと、クランベリーシロップの完成。水や炭酸水で薄めて飲んだり、アイスやかき氷にかけてもおいしくいただけます。
【料理】
生の果実は非常に酸味が強いため生食には向きませんが、クランベリーはジュースなどの他にジャムや菓子としても使用されています。その他には砂糖漬け、シロップ、ドライフルーツなどに加工できます。特に七面鳥に添える甘いクランベリーソースは感謝祭には欠かせない存在となっています。
【クランベリーソース】
1、クランベリーに砂糖を加え、果実がはじけて、とろみが出るまで煮詰める。
2、アーモンド、オレンジジュース、かんきつ類の皮、メープル、ジンジャーなどを加えて完成。
【ドライフルーツ】
市販されているものも良いが、天日干しやオーブンを使用して手作りのドライフルーツを作るのもおすすめ。カップケーキやアイス、クッキーなどに使用するだけでなく、スープやカレー、ミートパイとも相性がよく、彩りも豊かになるので料理を引き立てることができます。
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